「ゆっくり、いそげ(影山知明)」未来の古典的名著

ゆっくり、いそげ 影山知明

資本主義社会での、規模の拡大や効率性の追求は、多くの技術革新や利便性の向上を実現しました。

しかし、「不特定多数」の参加者の間で、価値の交換が取引されるグローバル経済では、価格で評価できない価値が見過ごされることもあります。

万人ウケする「普遍的な価値」ばかりが追求され、安さや速さといった数値では表現しきれない「複雑な価値」が、軽く扱われがちだからです。

 

影山知明先生の著書「ゆっくり、いそげ」では、そういった「複雑な価値」を、継続的に成長させながら交換することで、より良い経済の循環が生まれるのではないか、と解説されています。

 

「複雑な価値」を共有できるコミュニティを育てる

影山知明さんは、世界有数の外資系戦略コンサルティングファームに勤務され、ベンチャーキャピタルの共同創業の後、東京・西国分寺の「クルミドコーヒー」の店主となられました。

その「クルミドコーヒー」のコーヒーの値段は650円です。

チェーン店と比較すると、2~3倍の高さですが、このコーヒーには、産地への思いや店主のこだわりが「複雑な価値」として含まれています。

 

ただし「複雑な価値」は、「普遍的な価値」と異なり、みんながみんな理解できるものではありません。

「お金を払う価値はない」と評価する人が多いのも事実です。

ビジネスでは、一定数の顧客に支持されなければ、続けていくことすらできません。

そのために、「複雑な価値」を消費者に提供して、現実的にビジネスを存続させるためには、「複雑な価値」を分かち合える人との交流が必要になります。

そのような人たちが参加するコミュニティを育てていくことが重要となるのです。

経済社会が「普遍的な価値」ばかりを追い求めると、数値に表せない幸せや喜び、好き、こだわりなどの「複雑な価値」はどんどん切り捨てられていってしまいます。

残念なことですが現在の日本国で、自殺者数が極めて多いのも、数値化できる「普遍的な価値」ばかり追い求めた結果かもしれません。

 

「健全な負い目」の連続が社会の成長を促す

「複雑な価値」を育て上げ、社会の幸福度を高めていくためには、その価値を共有できるコミュニティを形成する必要があります。

その鍵となるのが、「ギブ」から始める、ということです。

自分の利益のためだけに行動すると、「テイク」から始めるということになります。

そうではなく、「複雑な価値」を受け取る人の幸せや喜びのために、時間やお金などのコストをかけたサービスを提供することが肝心です。

そうすると、「複雑な価値」をプレゼントされた側の人には、「目に見える以上の価値を受け取っている」というポジティブな感情と感謝が生まれます。

感謝は、「自分にはもったいないな」「ありがたいな」という感情です。

感謝の心は、お返しをしなければならないという「健全な負い目」を生みます。

その健全な負い目が、リピーターや口コミに繋がっていくのです。

自身の仕事を通して、まずは目の前の人に「ギブ」する。そして、その連鎖をやめない。

そのことが、「複雑な価値」を共有できるコミュニティの育成に繋がります。

 

「ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済」

・経済社会の幸福度を高めるためには「複雑な価値」が必要

・「複雑な価値」は、不特定多数には受け入れられない

・「複雑な価値」を共有できるコミュニティを育てる

・結果として、リピーターや口コミに繋がり、金銭的なリターンを得る

今回の詳しい内容は、影山知明さんの著書「ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済」に詳しく書かれています。

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